「お金は私を裏切らない」と言いながら、必死に貯金に励む人をたまに見かけますが、お金は人を平気で裏切ります。なぜなら昔学校で習ったように、物の値段が上がりインフレになると、お金の価値は無くなるからです。そこで私たちは、インフレでお金の価値が無くなってしまう前に、資産運用をしておく必要があります。世の中には様々な資産運用の方法がありますが、私が考える最も簡単な資産運用法をここで紹介しようと思います。
目次
資産の種類
まず、日本円以外で持つことのできる資産にどのような種類があるのかを説明しておきます。
- 株式
- 為替
- 社債
- 国債
- 貴金属
- 不動産
- 原油や電気などのエネルギー
資産として保有することのできるものはざっとこんな感じです。例えば株式投資一つを見てみると、日経平均に連動するタイプの銘柄や先物、各種投資信託があれば、国内には3600ほどの上場企業がありますので、国内だけでも数千もの投資先があることになります。そして、世界には196ヶ国もの国が散らばっていますから、日本が先進国であることを考慮しても、さらに全世界で100倍近くの選択肢があることになるのではないでしょうか?
様々な投資先があるが、すべては連動している
一口に資産運用といっても、これほど様々な投資先があり、ひとつひとつチェックしながら投資先としてどうかと検討していく作業は非常に負担が大きくなってしまいます。
しかし、ザックリと世の中を俯瞰的に観察してみると、先に紹介した様々な投資先の値動きは連動していることがわかります。例えば、国際化が進んだ現代では、アメリカの株価が世界の株価に大きく影響しています。2004〜2008年に起こった、サブプライムローンに始まり、リーマンショックに終わる一連の株価大暴落はもちろん全世界に影響がありました。世界の株価が値下がりし、不況で物が売れなくなったため、あらゆる商品の値段が下がり、銀行では金利を下げてお金を借りてもらうように努力します。金銀プラチナなんかの貴金属や、不動産、エネルギー資源なんかはこれとは違った値動きをするのではないかと思う人もいるかもしれませんが、やはりそれらが飛ぶように売れるのは株価が高く、景気がいい時期ですから、株価とそれらの値段もやはり連動しています。
アメリカの株価だけを見ておけば良い
国際化が進んだ現代では、あらゆる資産の値動きは連動している、ということがこれでおわかりいただけたかと思います。つまり極論を言えば、世界のあらゆる資産は、アメリカの株価(NASDAQ)で決まっている、ということです。なぜならアメリカは、GDP第1位の経済大国であり、資本主義社会で最も成功している国だからです。我々はiPhoneを使い、Googleで検索し、Amazonで買い物をし、TwitterやFacebook、Instagramで友人とコミュニケーションをとっています。これらはすべてアメリカの企業が提供しているサービスですから、世界がアメリカを中心に回っているのは当然のことです。先ほど、ダウ平均株価ではなく、NASDAQの指数が重要だと言った理由は、これらの我々の生活に馴染みのあるネット関連の会社がNASDAQには含まれているからです。
もちろん、日本国内で起こる出来事をキッカケに日経平均株価が上下することもありますが、アメリカや中国からの影響ほどではありませんし、日本の株価が下がったとしても、海外の投資家がすぐに日本の株式を買ってくれるため、すぐに価格は戻る傾向にあります。
貯金の10%だけ「S&P500」を買い続ける
さて、ここからは実際にどう資産運用をすべきかを説明しようと思います。ルールは簡単です。
貯金の10%だけを使ってS&P500を買い続けてください。ちなみにS&P500とは、アメリカで上場している主要な500社をまとめたアメリカの平均値を表す株価指数です。年に50万貯金することが出来る人は毎年5万円、年に100万円貯金することが出来る人は毎年10万円を使い、アメリカの株式を買い続けるということです。
アメリカだけに依存するのは心配だという人は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)がオススメです。その名の通り、全世界の株式がアメリカが多めの適切な割合で組み込まれた商品です。
そして、定期的に株式を買い増していくのは面倒だし、忘れてしまうという人は、つみたてNISAを利用すると便利です。しかも、通常は利益確定後に20%の税金がかかりますが、つみたてNISAの場合は非課税です。
いつ買うべきか?
2018年現在のように、世界的に景気が良い時期に買うのではなく、先ほど話したリーマンショックの時のような時期に買っておくべきだと考える人が多いかもしれませんがそれは間違いです。買うタイミングは全く関係ありません。貯金が貯まった時点でその10%を買う、あるいは家賃を毎月払うように、つみたてNISAを利用して買い増していくだけです。それはボーナスのタイミングでもいいですし、毎月給料が入ったタイミングで天引きしてもいいでしょう。
なぜ買うタイミングを考える必要がないかというと、アメリカの経済成長率を見てもらえば一目瞭然です。過去40年間毎年平均して3%ずつ成長しています。マイナスの成長率で終わった年は40年のうちでたった5年しかありませんから、それを計算に入れても平均で3%ずつ資産が増えていくということです。もちろん経済が成長するということは株価が上がるということですので、S&P500も毎年3%ずつ上がるということです。
いくら貯まるの?
ざっと複利計算をしてみたのですが、年利率3%で毎月5000円を40年間積み立てた場合、元金480万円で800万円まで増える計算となります。つまり、3%の利回りで320万円の利益が生まれるということです。もちろん日本円として銀行に預けていた場合の金利は景気が良い時でさえ0.1%しかつきませんから、30倍の利回りになるということになります。
ちなみに、老後に必要だと言われている2000万円をこの方法で準備するためには、利回りが3%だった場合、毎月60920円を20年間、あるいは、毎月34321円を30年間積み立てる必要があります。
もちろん20~40年間も投資し続ければ株価が暴落するときは必ず来ると思います。しかし、株価が暴落するということは、デフレとなりお金の価値が上がるということですから、残しておいた現金の価値が上がるということです。それでもめげずに投資し続けた人にだけ、老後のためのちょっとした退職金が手に入るのだと考えてみてはどうでしょうか?
まとめ
国民年金を100%受給できる年齢は65歳です。これからもこの受給開始の年齢はズルズルと先延ばしにされるのは目に見えています。自分の身は自分で守るしかありません。国に頼ることなく老後に向けた蓄えを計画的に行いたいものです。
ちなみに、この世界一簡単な資産運用法が失敗する時はアメリカが潰れる時です。アメリカが潰れるときというのは世界が潰れますから、そのときにお金や株式をいくら持っていようが価値はありません。世界が終わったあとには原始時代のときのように完全自給自足で余生を乗り切りましょう。笑
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