父親が嫌いな息子へ、父を超えるということ

父と子

父が嫌いだった。もちろん虐待されていたわけではない。終わることのない反抗期のようなもので、私にとって父とは永遠のライバルだった。

長男の宿命

これは長男が背負う宿命のようなもの。次男にはわかりっこない笑 長男のDNAには父を超えなければならないというプログラムが組み込まれている。ライバルに勝つにはライバルと仲良くやっていくわけにはいかないず、父とは全く別の道や、真逆の戦略で戦う必要があった。イチローの真似をしていては一生イチローを超えることはできないように、父の真似をしていては一生父を超えることはできない。

だから私の仕事選びの第一条件は、父や祖父とは違う仕事をすることだったし、父の性格の真逆の戦略で社会人として戦うつもりだった。人とは違う結果が必要な時には、人とは違う行動を取らなければならなかった。

蛙の子は蛙

しかし、蛙の子は蛙だった。挑戦したのかどうかも不確かなまま、都会を謳歌した私は一文無しで地元に戻った。何の社会経験も積まず、何の取り柄もないまま地元に戻った私を、父は黙って受け入れ、帰ってからもコロコロ変わる私の目標を否定することなく、いつまでも黙って見守ってくれた。父の懐はどこまでも深かった。私の父が父ではなかったとしたら、間違いなく勘当されていた。それほど私の20代は不安定で未熟で短絡的なものだった。

繋がる命、超えられない壁

30代になり、私は子供を授かった。当たり前だが、生まれた子供はみんなに少しづつ似ていて、命が繋がる実感が少しだけ沸いた。おまけに祖父の死後、半年も経たずに生まれたのだから、余計に命の繋がりを感じる。

私は父と母から生まれたのだから、父をライバル視し、否定することは間違いだった。親を否定するということは、同時に自分自身の否定となる。そして、身長や腕力、偏差値、年収。例え、あらゆるすべてに関して親に勝ったとしても、私は親を決して超えることはできない。なぜなら、父と母がいなければ、私はこの世に生まれていないのだから。

歳をとった証拠でしょうか? 最近、しみじみとこんなことを思うのです。

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