土地家屋調査士試験の受験を決めて、はじめに迷うのは、独学にすべきか、通信講座にすべきかの選択だと思います。「できるだけ早く合格したいけど、お金はあまりかけられない」というのが受験生の本音ではないでしょうか? そこで、今回は土地家屋調査士試験を独学で受験可能かどうかを考えてみようと思います。
独学で合格可能だが、遠回りになる
結論から言うと、土地家屋調査士試験を独学で合格することはもちろん可能です。ただし、合格までに時間がかかるので、通信講座を受講したほうがいい。というのが私の考えです。なぜそうなるのかを以下で説明していきます。
合格者のほとんどは通信講座の受講生
独学をオススメしない理由の1つ目が、合格者のほとんどが資格予備校生だということです。
例えば、東京法経学院は毎年、調査士試験の合格者の約50%を輩出しています。東京法経に次いで受講者の多い資格予備校はLECですから、残り50%とまではいかずとも、かなり多い割合の合格者を輩出しています。この2社以外にも調査士講座のある予備校はアガルートなど多数ありますから、独学で合格されている受験生は毎年本当に少ない割合しかいません。そして、知っておいてほしいのは、合格までにかかる年数です。
土地家屋調査士試験合格までの平均受験回数
このデータでわかると思いますが、最低でも2年必要で、3年で受かればラッキーな資格です。過去問を丸暗記するのではなく、論点の一つ一つを「なぜそうなるのか?」と理由付きで暗記しなければならない試験です。
社会人が働きながら独立開業を目指して受験することの多い試験ですので、みなさん時間に追われながら、なんとか勉強時間を捻出するはずです。独学で手探りのような勉強をするよりも、通信講座で経験豊富な講師の講義を聞きながら要領良く学習すれば、間違いなく合格できます。
そして、学習の期間が長引いてしまうと、せっかく覚えた論点を忘れてしまい、何度も復習することになります。加えて、結果がなかなか出ないとモチベーションも下がってしまいかねないので、中学や高校の在学期間と同じ3年以内を目標に通信講座を利用し、合格を目指すべきだと思います。
単純な試験ではない
単純に過去問を暗記すれば受かるような試験なら、独学で全く問題ありません。論点の一つ一つを理由付きで暗記し、三角定規や電卓を駆使して作図をする試験です。座標値の計算に戸惑うと時間が足りなくなる試験ですので、時間配分もかなり重要です。ぜひ通信講座を利用し、時間内に終わる効率のよい問題の解き方を身につけてください。
1年でも早く合格すれば、受講料はすぐに回収できる
受験生が独学を選ばなければならない最大の理由は、調査士講座の受講料の高さではないでしょうか? もっとも安い通信講座だとしても25万円かかりますから、独学で教材を揃えた時の約5万円と比較すると、その差は20万円になります。
しかし、ここでよく考えてもらいたいのが、試験に合格することがゴールではないことです。試験に合格し、経験を積み、開業し、仕事をもらい、生計を立てる。ここまでが土地家屋調査士を目指す意義ですから、はじめの一歩の合格までに何年も時間をかけてはいけないと思うのです。
通信講座を選ぶことにより、20万円ほど、余計にお金はかかるかもしれませんが、1年でも早く合格し、1年でも早く開業し、1件でも多くの仕事をこなすことができれば、通信講座代金、さらには開業資金も、早く回収できることでしょう。
東京オリンピックや大阪万博で不動産関連の仕事は盛り上がっています。みなさんが、土地家屋調査士として1日でも早く活躍されることを祈っています。
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