土地家屋調査士試験に合格し、開業後2、3年でそこそこ稼げるようになるだろうと思っていましたが、そんなに甘くはありませんでした。
ここが五島という田舎だからなのか、それとも私の努力不足なのかわかりませんが、土地家屋調査士として食べていくにはまだまだ時間がかかりそうです。そこで今回は、思うように稼げていない土地家屋調査士、あるいは開業間もない土地家屋調査士に向けて、仕事がなくても稼ぐ方法をまとめたいと思います。
目次
公共嘱託登記土地家屋調査士協会に入会
まず考えるべきは公嘱協会に入ることです。開業したばかりの時は、個人でもらえる仕事は少ないですが、公嘱協会で官公署などから依頼される仕事ならあるかもしれません。同じ支部の仲間とチームを組んで一緒に仕事ができますし、土地家屋調査士として経験が浅い場合はアドバイスをもらいながら仕事を進めることができます。仕事の有無に関わらず、同じ支部の土地家屋調査士とのつながりを強くしておくことは、とても大切なことです。
14条地図作成、国土調査業務を行う
公嘱協会の業務に入っているかもしれませんが、この2大プロジェクトは全国的にまだまだ仕事が膨大に残っている事業です。公嘱での業務と同じように、一人ではできない仕事なので、他の調査士と関係を深めることや、測量技術の向上が期待できます。そして、立会いも多くこなさなければならないので、境界確定の立会いに関する苦手意識もなくなるはずです。しかも、国土調査に関しては、全国平均の進捗率が48%で、約50年分の仕事が残っているため、どんな田舎でも仕事を覚えておけば、必ず役立つ業務になるはずです。
ちなみに、14条地図作成は法務省の管轄、国土調査(地籍調査)業務は国交省の管轄で、国交省ほうが予算が約7倍多いことから、国土調査業務のほうが仕事量は多いようです。
各自治体で国土調査の進捗状況は異なります。お住まいの市町村の国土調査の進捗状況を確認したい場合は以下のリンクで確認してください。
http://www.chiseki.go.jp/map/index.php
公共事業に従事
測量士を持っておられる方は、法人登記をして、公共事業をはじめてみてもいいかもしれません。もちろん、測量に関する知識、経験、測量機器、仕事を手伝ってもらえる従業員は必要ですが、どんな田舎にも必ず公共事業はありますので、仕事がない場合はいいと思います。
ただし、少子化や過疎化の影響、そして測量技術のAI化で、先行きは不安定なことには間違いありません。今はいいかもしれませんが、長い目で見ると国土調査業務のほうがまだ有利な仕事かもしれません。
区画整理事業を行う
こちらもやはり公共事業です。土地区画整理士という資格が必要です。
都市部の道路や排水、景観の整備のために行い、街並みを美しく、機能的に作り変えてます。畑地帯総合整備事業(畑総)といって、農地の整備にも区画整理事業は利用されています。
ほかの資格で稼ぐ
行政書士や宅建、司法書士、建築士など、土地家屋調査士と相性のいい資格はたくさんあるので、それらを活用して収入を増やしてもいいと思います。
ドローンで稼ぐ
GNSSを利用した、RTK方式のUAV(ドローン)も発売されたので、土地家屋調査士業務だけにとどまることなく、建設業での施工管理や、点検・メンテナンス、災害対策、農業、映像制作など、ドローンを活用できる場面は数多くあります。様々なシーンでドローンを利用し、仕事にすることは可能です。
動画を作って新婚夫婦と繋がる
これは個人的にオススメな営業方法です。まず、結婚式で利用する動画制作を行い、新婚さんとの繋がりを作っておきます。そして、一戸建てを新築した場合には、その表題登記をさせてもらうという営業方法です。
動画制作に関してハードルが高いと思われるかもしれませんが、実はとても簡単です。Adobeで動画編集ソフトを購入し、YouTubeでチュートリアル動画を検索すれば、すぐに使い方は覚えることができます。ただし、ハイスペックのパソコンを使用しなければ、動画の制作はできません。
都会の場合は、新婚さんの一戸建て新築割合は7%ほどですが、田舎になればなるほど、この割合は急激に高まります。動画制作で、新婚さんと繋がりを作ることは、とても有意義な営業方法だと思っています。
ブログを書く
土地家屋調査士という専門知識を武器に、ブログを書き、情報を発信することで人の役に立てると同時に自分の考えがまとまります。土地家屋調査士業務に関する営業にもなりますし、土地家屋調査士という仕事を世の中に広めるための手助けにもなるはずです。ついでに、Googleアドセンスに登録し、広告を貼っておけば、アクセス数に応じた広告収入も見込めます。ブログでまとまった収入を得るには、膨大な時間と労力が必要ですが、一度収益が上がればそれは権利収入のように継続して得ることができます。利益が出なかったとしても、自分の考えをまとめて公開しておくことは、自分にとっても閲覧者にとっても有益なことだと思います。
まとめ
いかがでしたか? せっかく土地家屋調査士試験に合格したのですから、その知識を使って、一人前に稼げるようになりたいものです。まだまだ実務経験が浅く、勉強不足の若輩者ですが、ひたすら試験勉強に打ち込んだ日々の努力を回収できるよう、さらに努力を重ねていきたいと思っています。
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