いつからかYouTubeが広告だらけになってしまった。Chromeの拡張機能や、アプリ版のAdBlockがあるお陰で広告を見ずに済んでいるが、普段使っていないパソコンでYouTubeを見てみると、広告が多すぎて見る気が失せる。
ただし、YouTube側としては、視聴者に広告を見てもらわなければ、いくらPVが増えようが収益は生まれないわけで、広告を載せたい側と、消したい側の技術戦争はこれからも永遠に続くことになりそうだ。
クリーンになるYouTube
おまけに最近では、過激な動画を投稿するユーチューバーは問答無用でアカウントを削除されるようで、老若男女から愛されるクリーンなイメージのユーチューバーがより生き残りやすい世界となった。好感度を上げ、CMを狙うタレントと全く同じ状況にある。
特に、子供向け(13歳未満)のコンテンツは注意が必要になった。アメリカでは子供のプライバシーを守るため、オンライン上で子供に向けて最適化された広告を流すのが禁止になった。最適化された広告とは、パーソナライズド広告のことで、個々のネット上での行動を監視し、その人の好みを探り、それに合わせた広告を流すこと。
子供のオンライン上でのプライバシーを守らなければならないと、裁判での判決がアメリカで下されたため、YouTubeはその対応に乗り出すことになった。
YouTubeはGoogleの持ち物だから、この大きな流れは、Google検索の結果も同じ。検索エンジンをGoogleが牛耳っている以上、このネット業界の広告過多、そしてクリーン化は止まりそうにない。
自由だったインターネット
かつてのインターネットは、良くも悪くも自由だった。好き勝手なことが掲示板に書かれ、著作権関係なしに漫画や音楽や映画が公開され、違法ダウンロードサイトの開設と摘発が繰り返されていた。
当然のことながら、あらゆるコンテンツには製作者がいて、その人たちの権利を守るために、法の整備が間に合わず無法地帯だったインターネットはクリーンなプラットフォームにならざるを得なかった。
また、面と向かっては言えないような過激な発言が、SNSや匿名掲示板ではスラスラ出てきて名誉毀損となる。
そして、その時の感情の赴くままに、後先考えずに写真や動画をアップしてしまうと、威力業務妨害やリベンジポルノとなる。
新しい娯楽は法改正でつまらなくなる
新しい技術が生まれるたびに、それに追従するように法律やリテラシーが整備されていく。スポンサーやコンプライアンスを気にし過ぎたテレビがつまらなくなってしまったように、インターネットやYouTubeも、ものすごい勢いでつまらないものになりつつある。今流行っているSNSや、これから流行るであろう新しいサービスも同じ道を辿ることだろう。
広がりすぎたインターネットは、コミュニティ化して、縮小する
そんな不特定多数を対象として広がり過ぎたインターネットは、オンラインサロンやSNSの出現によりコミュニティ化している。
有名人は少しおかしな言動をしただけで、世間からものすごいバッシングを受け、大炎上してしまう。そのことに疲れ、公の場でのコミュニケーションよりも、自分のファンだけを囲い込んだ小さなコミュニティでの繋がりが好まれるようになった。そこで普及しているのがオンラインサロンだ。
オンラインサロンとは、ある人物を中心に集まったネット上でのファンクラブのようなもの。そのファンクラブは、現実に集まってオフ会をしてもいいし、四六時中チャットで繋がっていてもいい。その中心人物の仕事をサポートしてもいいし、メンバーだけで集まって、さらに小さなコミュニティを作ってもいい。不特定多数の目にさらされ、炎上しやすいTwitterやYouTubeとは違い、オンラインサロンの中には自分の味方しかいないから場が荒れることはない。
気軽に会えるアイドルとしてブレイクしたAKBだが、それよりもさらに身近に感じることのできる素人アイドルや、素人ジャニーズが出現しはじめている。YouTubeやSNSの普及で、無限にコミュニティが生まれ、無限にそのコミュニティは小さくなっている。
最終的にはやはり、「ぼっち」が最強だという結論になるのだろうか?
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